
小学唱歌「春の小川」(作詞高野辰之氏、作曲岡野貞一氏)で知られる河骨川は、渋谷区代々木四丁目から代々木五丁目を流れ、代々木八幡駅商店街近くで宇田川と合流。やがて渋谷川、天現寺橋付近で古川と名前を変えて東京湾に注いでいます。
昨年「カメの池」がきれいに塗り替えられ、池の壁面には当時の岸辺を思わせる色とりどりの花とともに「春の小川」の歌詞が描かれました。六年生児童の力作です。
この河骨川の湧水源の一つは、当時山内侯爵邸屋敷の中(現在の代々木四丁目二十六番地付近にありました。また山手通りを越えた初台一丁目四十三番地近くにも水源がありました。これらの水源から流れた河骨川は小田急線参宮橋駅近くで代々木公園側に渡り、その後、小田急線沿いに代々木八幡駅方面に流れて宇田川と合流します。今は暗渠となり見ることはできません。
富谷小学校に在籍していた児童の祖父に当たる伊井 勝氏が、「春の小川発祥の地」を後世に伝えるべく私財を投じて、「春の小川の歌碑」を建立されました。
写真にあるコウホネはスイレン科の水草で、当時の宇田川や河骨川に自生していたそうですが、一説には、山内侯爵が故郷、高知県から取り寄せたコウホネの一部が河骨川に流れ出で繁殖し、河骨川の名前の由来となったとも言われています。
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【協力】【参考文献】
・白根記念郷土文化館(現・白根記念渋谷区郷土博物館・文学館)、渋谷区教育委員会編集「渋谷の記憶1・Ⅱ」、梶山公子著「あるく渋谷川入門」、「たこ公園コウホネを守る会」の皆様